子育てパパのブログ日記(Blog・Trek)

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学力低下問題、日経新聞の教育問題を読んで
 7月10日付の日経新聞の朝刊では、「どうする義務教育」として、教育問題を特集しています。
 ゆとり教育や総合的学習の時間の賛否、学力低下などが主な論点になっています。
ななめに読んだだけですが、なんと不毛な議論かと思いました。

 以前気書いた記事でも指摘しましたが、学力が高かった世代は、はたして立派な社会を築いたかというと、決してそうではないでしょ。
 今みたいな社会を築いてしまったのは、学歴社会に生きてきた我々の責任です。
 学力がとても高い世代の人々は、試験では正解できても、近年の日本社会では正解を出せず、赤点状態ですね。
 オウム真理教が事件を起こしたとき、教団幹部達の高学歴に驚いたことも思い出します。

 日本全体で「詰め込み教育反対!ゆとりが大事」と言っていたかと思うと、「学力低下だ、授業時数を増やせ」と変節している。
どっちに転ぶにしても、みんなで「ゆとり」、みんなで「学力」と、融通の利かないこと甚だしい。

 そんな風に、日本の子供がみんな同じ方向で教育を受けることがまともとは思えない。
 子供には、運動に長けている者、勉学に長けている者、芸術に長けている者など様々でしょ。
 それをひとくくりに、「ゆとり」だ「学力」だと右往左往する方がおかしい。
 いろんな道・過程を選択出来るようなメニューを揃える方が絶対に効率的です。

 学力って、なんのために高くないといけないのか?
 学力さえあれば、いい大学に進み、いい会社に就職して、いい暮らしが出来るなんて幻想だと言うことに皆うすうす気づいているから、子供だって学力を高めるモチベーションが上がらない。
 ひとくくりの価値観でもって議論したり教育行政を進めるから、ニートなんかが生まれてくる。
 ゆとりが必要な子供にはゆとりを、学力をつけたいという意欲のある子供には、そういう道を用意すればいい。

 こう考えると、思い出すのは運動会で、1等賞、2等賞を作ってはいけないとしていた「平等観」に基づく「民主教育」
 日教組の路線だったと思うのですが、エリート教育反対で競争を否定し、ひたすら平等を押し進めた結果、選択肢のない金太郎飴のような教育を子供が受けることになったのではないか?
 文部省も日教組と対立しながら、やってることは結局同じだったのではないか。
 よくぞ、戦後60年もかけて無駄なことを続けてきたものです。
 エリート教育は、学力偏重のイメージが強いし拒否感も強いので、子供たちの多様な長所に応じたスペシャリスト教育の推進を図るってのはいかがでしょうか?

 それから、学力低下を、学習指導要領のプログラムだけに原因を求めることに間違いがあるとおもいませんか?
 前述したように、子供が学力を高めるモチベーションを持っていない。
 子供に、学習するだけの人間的な基礎が出来ていない。
 教師の指導力不足、親や地域のの教育力低下、社会の複雑化、娯楽の氾濫、モラルの低下など数え切れない要素があると思う。
 私は教育現場(主に高等学校)で働いていて知ることが出来たのだけれど、教師は「指導書」というマニュアルを毎年手に入れて子供に教えているんですよ。
 高校生は、職員室の中で平気で携帯電話してるし、教師も気にしていないような状況がある。
 授業中は生徒は机の上にペットボトルを置いて飲料を飲みながら授業を受ける教室も見受けられる。
 参観日に行く親御さんなら、憶えのある人もいると思いますが、参観に来ている親の私語がうるさくて子供の発表が聞こえないこともありますよね。
 都市部の高校では授業料滞納が問題になっているが、お金に困って滞納するばかりでなく、親子共に授業料を払う気のないモラルハザードを起こしている場合もあるのです。
 髪の毛を茶髪に染るお金があっても、携帯電話の料金は払っても、タバコを買うお金があっても、授業料は払わない生徒・保護者が少なくないのです。

 こういう状況を、学者や官僚は知っていて学力問題を論じているんでしょうか。
 価値観の多様化は、良い意味でも悪い意味でも、じわじわと進んでいます。
 こういう社会状況の下、多様な教育メニューを用意して、多様な子供たちの特性や長所を生かせる社会が出来ればいいのですが・・・・

 余談になるけど、そもそも夏休みって、暑くて授業にならないからあるのかな。
 現に、寒冷地では夏休みは短いものね。
 ということは、教室にエアコンさえつければ夏休みっていらないのと違う?
 午前中4時間授業を、せめて20日実施すれば年間80時間の授業時数を確保出来る。

 問題は、コスト。
冷房設備が無い学校に設置するとして、1校1000万円×3万校=3千億円。
(既設の学校分を除けばもう少し安くなるかな)
冷房にかかる電気代が200万円として、1校200万円×3万校=6百億円/年。
 さあ、高いか安いか。
 どんぶり勘定だけど、3千億円ぐらい、公共事業としたらたいしたこと無いでしょ。
電気代も、学校が電力会社と契約している大口契約では、月間の最高電力で年間の基本量が決まるデマンド契約って言う制度になっているので、これを見直せばもう少し安上がりに済むはず。
(地球温暖化防止の観点からは、あまりいい話ではないなぁ・・・)

 小生は決して学力低下議論に肯定的ではないのだけれど、「総合的学習の時間」まで削って学力向上を図るなどという議論があるなら、いっそ、夏休み減らす方が、保護者も安心でしょ。
 給食もしてくれると、共稼ぎの家庭などとっても助かるんだけどなぁ。
「総合的学習の時間」とは
『学習指導要領によれば「総合的な学習の時間」では、「例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,児童の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題」を選んで学習活動を進める』と記されています。
要するに、教科間の縦割りを廃して、横断的な授業を実施して内容を掘り下げた授業をしましょうってことデス。
「環境」なんてテーマを考えただけでも、理科や社会科、家庭科も関連するから「総合的学習の時間」でひっくくって授業しないと本当の理解が深まらないはずなんです。

 私の教育方針は「子供は元気でアホがいい」です。
 元気で、明るく、思いやりがあれば、社会人になっても生きてゆけると確信してるからです。
 人間はね、学力もさることながら、「温かい心」「人間性」「倫理・道徳観」「体力・気力」「学力とは異なる知力(知識・教養、機転、想像力、創造力、リテラシーなど)」等々を併せた、総合的な「人間力」とも言うべきものが大事だと思っています。
 勿論、学力を否定するわけではありません。
 学力のみに価値を見いだす社会を否定したいのです。

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